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すいません、ナメてました。
だってなんか見た目も地味ですし、ねぇ。なんか暗くなったAbleton Liveくらいに思ってました。
使ってみるまでは一番「無いな」と思っていたのですが、NektarのPanorama T6に付いてきたBitwig Studio 8-trackを話の種になれば良いかなくらいのつもりで触ってみたら、もう戻れなくなりました。
というわけで、私的DAWランキングの中で食わず嫌い最下位からメインDAWにまで昇格したBitwigの魅力について語っていきたいと思います。
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目次
Bitwig Studioとは?
ドイツに拠点を置くBitwig社のDAW【Bitwig Studio】は2014年リリースの所謂後発組です。
元Abletonの人が作っただけあって見た目もかなり似ていますし、良いところもしっかりと引き継いでいます。
Cubaseを1から作り直したのがStudio Oneなら、Ableton Liveを作り直したのがBitwigって感じになります。
- いいとこ取りできる
- 余計なのが無いから軽い
- 操作が簡潔
- 長年たまった味わい的なものがない
- 今後の方向性が不明(老舗はいまさら大きな方向転換しないけど・・)
個人的にはStudio Oneはちょっと望まない方向へ行ってしまいましたが、Bitwigは現在バージョン4ですが順当に進化しております。
Bitwigの特徴
では、そんなBitwigの特徴的な機能を見ていってみましょう。
クリップランチャー
なんと言ってもまずはAbleton Live譲りのクリップランチャーでしょうか。
最近は真似して実装しているDAWもちらほらありますが、やっぱり後から機能を足すのと最初からそれ込みで設計されているのとでは使いやすさが全然違うなと感じました。
また、Abletonみたいなミキサーの上にのっかったタイプと、Logicみたいにタイムラインの横に表示されるスタイルのどちらも使えるようになっています。(私はタイムライン横の方を主に使いますが、Logicの方では一切使いません。それくらい使いやすさに差があります。)
モジュラー
とざっくり見てみるとAbletonのパクリっぽく見えるかもしれませんが、それは大きな間違いです。
Bitwigの最大の特徴はなんといってもモジュラー設計にあり、モジュールを組み合わせて形作っていくという思想がソフトウェアのあらゆる側面で生きており、それによる恩恵こそがこのDAWの1番の売りになっています。
Bitwigはプロジェクト、オーディオエンジン、プラグインが別々のモジュールとして動いているため、どこかにトラブルがあってもプロジェクト全体が落ちないような設計になっています。
例えばプラグインがなんらかの理由で停止してしまっても、そのプラグインをリスタートするだけで復帰できたりします。
サードパーティーのプラグインも標準装備のプラグインも同列に1つの外部モジュールとして扱うため、Bitwigの豊富なモジュレーションをかけたりマクロで複数のパラメーターを動かしたりという操作が驚くほど簡単にできます。
プラグイン画面を開くことなくサードパーティプラグインのパラメーターをいじれるのがとても便利です。
また複数のインストゥルメントをレイヤーしたり、そこにエフェクトやモジュレーションをかけたりなどもすんなりできます。
これはできたら良いなと思っている方多いのではないでしょうか?
複数プロジェクトを立ち上げて、普通にクリップやイベント単位はもちろん、トラック単位でも別プロジェクトにコピペできます。
フレーズやリズムの使い回しはもちろん、あらゆる場面を想定した膨大なテンプレートももう必要ありません。
ストリングスセクションを使いたければオーケストラテンプレートのストリングトラックをコピペすればOKです。
そこまで言っておいてモジュラーシンセが入っていないのでは格好がつかないですが、ご安心ください本格的なモジュラーシンセであるPolyGridというインストゥルメントも標準装備されています。
などなど、このモジュラー設計ばかりはソフトウェアを作る段階からやらないと実現できないでしょうからBitwigだけの1番の特徴と言えるでしょう。
ワークフロー
個人的に一番気に入っているのがBitwigの洗練されたワークフローです。
とはいえ、こればかりは人によって作業の流れが違うでしょうから向き不向きがあるものです。
たまたま私のやり方にあっていた、という部分が大きいとは思います。
ま、これは最近のDAWならどこも意識しているところだとは思いますし、Abletonもかなり考えられた画面構成になってますよね。
Bitwigの基本的な画面は3つ。
- ARRANGE・・・メイン画面と言ってもいい。ほぼここで完結できる。
- MIX・・・Abletonみたいにここでクリップいじってもいいけど、個人的にはミックス時に全体のメーターをみたい時とプラグインをコピペしたい時くらいしか使わない。
- EDIT・・・大きい画面で細かく編集したい時用。
デバイスや各エディットなど、とにかく全てがどこかに埋もれることなくアクセスしやすい環境になっています。(これもおそらくモジュラー的な発想によるところなのでしょう)
オーディオイベントとMIDIイベントは通常は別トラックに分けないといけませんが、Bitwigでは同じトラックで扱えます。
これによりインストゥルメントトラックの一部のイベントだけをオーディオに変換して逆再生にする、なんてこともできます。
別トラックにバウンスした方がやりやすい作業もあると思いますが、同じエフェクト設定をそのまま使いたい時などは便利だと思います。
オーディオ編集や細かいピッチ調整、ゲイン、パンなど色々なことがエディット画面とインスペクターで編集できます。
他社のDAWよりも少ない手順で色々なことを実現できるのがとても気に入っています。
インストゥルメント 、エフェクト、プリセット、サンプル、ループなどを選べるブラウザーも強力です。
特にプリセットは何のインストゥルメントのプリセットなのか分からないまま音をチェックできるのがポイントです。
その他
Studio Oneほどではありませんが、どちらかというとスッキリ系です。
Abletonをちょっとクリアでモダンな感じにしたイメージでしょうか。
CPUやメモリなんかをみるとそれなりに食っていますが、動作の方はかなり軽快です。
おそらく、ただ単純に軽いから速いということではなく軽快に動作するような設計になっているのでしょう。
上記にもあるように、こんな感じで一般的なDAWと違いプロジェクト、オーディオエンジン、プラグインホストの3つがバラバラに動いているのが特徴です。
Bitwigから強力なミックスのツールとなるアドオン・プラグイン【Spectral Suite】が登場!
ないもの
と、ここまではオススメポイントを紹介してきましたが、搭載されていない機能もあるので注意が必要です。
楽譜で表示したり、楽譜で入力したりするような機能は一切ありません。
これは楽譜アレルギーの方やスコアリングはFinaleみたいに本格的なソフト使うからいらね、という方には大歓迎ですが、往年の楽譜入力が好きという方や複雑な楽譜は書かないからDAWで完結させたいという方には不向きです。
個人的にはDAWでまで楽譜を見たくないので今後も絶対に搭載して欲しくない機能ですね。
こちらもないので劇伴などの映像系のお仕事で使うのは難しいです。
まあこういうのはLogicやCubase、Digital Performerあたりに任せておけばいいので無理に実装する必要はないと思います。いやでも・・う〜ん
フルバージョンのを買ったとしても、「とりあえず全てのジャンルにそれなりに対応できるよ」っていうほどの広範囲をカバーしたエフェクトやインストゥルメントは付いていません。
しかし、DAW備え付けのエフェクトとインストゥルメントを数年後どれだけ使っているか?問題もありますので、そこいくとサードパーティのプラグインをドカドカ入れたとしても使えるようなものだけ付いているとも言えます。
プリインストールソフトが多いほど喜ぶ人には向いていませんが、私みたいに自分で選ぶから余計なの入れておかなくていいよ、な人には向いています。
まとめ
現在メインで使っているDAWなので、ちょっと力が入りすぎたかもしれませんが。
「どんなジャンルにもそれなりに対応できるのそろえといたから、これがあれば今日からDTMはじめられるよ」というタイプのDAWではありませんので、まだ方向性がよく決まっていないDAW初心者の方にはかなり冒険になると思いますが、ある程度自分のスタイルを持っている方は検討する価値があるDAWだと思います。
あ、使うのが難しいという意味ではありませんよ、てかむしろ簡単です。
Bitwigだとマニュアル見ないでもサクッとできたけどLogicやReasonではどうやるかいまだによく分かってない操作とかありますからね。
- 新しいもの好き
- 人と違うことしたくなる
- モジュラーシンセファン
- スケッチをよくとる作曲スタイル
- モチーフを発展させていくタイプ
- サンプルをいじくり回して作る
- ライブで使う時の安心感
1つでも当てはまったら是非お試ししてみてください!
サブDAWとしておすすめされているのもたまに見かけたりするBitwigですが、個人的にはサブDAWはReasonがおすすめです!(レビュー記事はこちら)
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