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ハードウェアからプラグインまで幅広く展開しているイタリアの老舗メーカー IK Multimedia のフィジカル・モデリング・ドラム・インストゥルメント【MODO DRUM】の紹介です!
その界隈では有名なプラグインですので、知っている方も多いのではないでしょうか?
私も以前から気になっていたものの、制作環境との兼ね合いや同社の他のプラグインを使った時のイメージなんかもあり、なかなか手を出せませんでしたが、今回初チャレンジしてみたので使用感などをレビューしていきたいと思います。
とりあえず、ざっくりとした感想としましては「重い!音良い!」です。
その辺は概ね予想通りですが、フィジカル・モデリングの一番の売りであるサウンド・エディット部分が思ったよりも簡単で分かりやすかったのは嬉しい誤算。
では、各機能を見ていってみましょう。
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目次
物理モデル vs サンプル
の前に、「ふぃじかるもでりんぐってなーに?」という方のために簡単な解説を。
楽器の音源には物理(フィジカル)モデリングとサンプルベースの2種類があります。
ざっくりと比べるとこんな感じ。
サンプル | 物理モデリング | |
---|---|---|
方式 | 実際の楽器の音を録音したものを鳴らす。 | デジタル合成で楽器の音を再現。 |
特徴 | 録音時の空気感のようなものがあるので、よりレコーディングに近い自然さがある。 | 音作りの柔軟さと細かい響きや強弱の再現に有利。 |
仕様 | リアルな音を得ようとすると、録音した音を沢山用意する必要があるため容量が増える。 ストレージが沢山必要。 | リアルな音を得ようとすると、より細かい処理が必要になるためCPUへの負担が増える。 高い処理能力が必要。 |
サンプルは音がリアルな反面演奏性の自然さが課題になり、物理は演奏性がリアルな反面音の自然さが課題になる感じですね。
ただ、最近はその辺を上手くカバーしている音源が多いためその差は大きくない傾向にあると思います。
環境的にも、サンプルを使っていながら特殊な圧縮技術で容量をかなり抑えられていたり、物理モデリングでも特別なプログラムで比較的CPU負荷が抑えられているケースもあったりします。
ただ、そうは言ってもサウンド的に少し傾向が違いますので最終的には好み選ぶ形になります。
ちなみに、MODO DRUMは基本物理モデリングながらシンバルはサンプルを使っているため、柔軟なサウンド・エディットと自然なシンバルが得られる反面、容量が大きい上にCPU負荷も高いという、良いのか悪いのかって感じです?
よくばっちゃた?
MODO DRUM 1.5 の特徴と機能紹介
モデル選択
ドラムキットを切り替えるセクションです。
内蔵のドラムパターンを再生しながら切り替えていくこともできますよ。
通常盤は13のキット全部が入っています。
- Studio・・・80年代のスタジオのスタンダード・サウンド。
- Jazzy・・・14インチのバス・ドラムを中心とした、暖かみのあるジャジーなヴィンテージ・サウンド。
- Silver・・・オールラウンドで汎用性の高いビンテージ・メイプル・キット。
- Plexi・・・70年代を象徴する、クラシック・ロックに最適なキット。
- Rock Custom・・・パンチとクリアなローミッドが特徴の、メイプル・シェルのキット。
- Grungy・・・グランジやオルタナティブに最適な、シンプルなキット。
- Metal・・・モダンでアグレッシブなスタイルに最適な、パンチの効いたリズム・セクション向けのキット。
- Brit Custom・・・インディー・ポップやロックのスタイルに最適な、暖かみのある豊かなサウンドのバーチ・キット。
- Bubinga・・・ブビンガ材を使用した、リッチなロー・エンドとパンチのあるサウンド。
- Black Oyster・・・60年代のヴィンテージ・サウンド。
- Djentleman・・・モダンなメタル・サウンド。
- Extreme・・・破壊的なヴィンテージ・メタル・サウンド。
- Reference・・・あらゆるジャンルに最適な、ベーシックなキット。
カスタマイズ
各キットを他のものに差し替えたり、
さらに材質やチューニングなどを細かくエディットするセクションです。
マイキングとかはありません。もっと細かいパラメーターがびっしりあるようなイメージを持っていました。
細かい要素を自分で設定して音を作るというよりは、チューニングやダンピングなどのパラメーターでピッチや響などを直感的に調節できるので、(どのマイクをどこから狙うとどういう音になるというような)専門的なエンジニアスキルがなくても使いやすいです。
シンバル系はサンプルなので調整はこんなもん。
プレイスタイル
スネア、タム、キックの演奏の仕方などの設定です。
スティックのタイプや叩くポジションなどを左右別々に設定できます。
ヒールアップとヒールダウンも選べます。
ROOM
コンボリューション・リバーブ的なやつです。
手持ちのリバーブを使う場合でも、BOOTHあたりで軽くエアー感をプラスしておくと良いですよ。
グルーヴ
内蔵のMIDIパターンを選ぶ使いやすいブラウザです。ジャンルでも選べるのがいいですね。
各パターンはドラッグ&ドロップでDAWに貼り付けることができます。
良い感じのグルーヴだなと思って貼り付けてみると意外にもほぼベタ打ちだったり。
マッピング
各サウンドをMIDIで割り当てるセクションです。
スティックの左右、奏法別に割り当てられているため、キースイッチで切り替える手間はありません。
ミキサー
本格的なミキサーも内蔵されています。
エフェクトも充実していますが、CPU対策で書き出して使う場合はあまりお世話にならないかも?
EQも本格的。
CPUと容量
フィジカル・モデリングの宿命といいましょうか、CPUへの負荷はやっぱり高いです。
軽いことでも有名なサンプルベースのAddictive Drumsと比べると一目瞭然ですね。
さらに、ドラム・キットごとにサウンドをダウンロードしないといけないのですが、これが1つにつき数GBあります。
なかなかマシン泣かせの仕様ではありますが、外付けSSDとバウンスを使えば Core i5 のラップトップでもちゃんと曲の形にまで持っていけました。
参考動画
まとめ
というわけで、まあお世辞にもマシンに優しいとは言えませんが、予想の範疇を越えるほどでもありません。
ただ、マシンスペックは高い方が色々な意味でよりスムーズに使えると思います。
音はさすがにハイスペックです。
サンプル系の音源が現実的な音の良さなのに対し、物理モデリングのこちらは理想的な音の良さといった印象を受けました。
そこを素直に喜べるか、非現実的と取るかは好み次第といったところでしょうか。
サウンド・エディットでは、膨大なパラメーターがあるわけでないにも関わらず、かなり突っ込んだ音作りができるのが強みですね。
どうしてもこだわりたいスネアやキックだけMODO DRUMで作るという使い方でも重宝しそうです。
また、MIDIパターンが充実しているのと、多少雑に打ち込んでもそれなりな感じになってくれるので、サクッとドラムトラックを用意したい方にもオススメできます。
ちなみに、MODO DRUM は全部のキットが入っているバージョンもセール時はけっこう安くなるので、コストパフォーマンスもかなり良いですよ。
自分のマシンスペックで使えるか不安な場合はフリー版もありますので、まずはそれで試してみると良いと思います!
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