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シンセオタク集団Cherry Audioの最新作はARPから1978年に発売されたQuadraをエミュレート&魔改造したものです。
Quadraは色々と問題もありあまり生産されなかったマニアックな機体なのですが、ジェネシスのトニー・バンクスやウェザー・リポートのジョー・ザヴィヌルなどが使用していたことで希少価値は高かったりします。
まあ、可能性は感じるけどダメダメなところもあるやつって感じでしょうか。
そんなQuadraがオタク集団の手により、ヴィンテージものの良さは残しつつ問題があった部分を全て解消し現代に蘇りました。
「これがQuadraの真の姿だ」くらい言ってもいいものに仕上がっております!
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目次
ARP Quadra
QuadraはARP社が何かと苦しい時期に発売された機種でして、一応あのProphet-5に対抗した(けど対抗できなかった)ものです。
内容としましては、Solina、Omni2、Solus、Odysseyなどの既存のARP製品を使い回した、よく言えばオールスター、悪く言えば寄せ集め、と言ったものです。
ヴィンテージ機材のエミュレートものは、過去人気があったものを完全再現するパターンと、色々あってマニアック人気止まりだったものの色々部分を解消する魔改造パターンの2つに分けられると思いますが、今回のQuadraは完全に後者です。
オールスターはちょっと言い過ぎかもしれませんが、それに近いものにはなっていると思います!
Quadraの特徴と機能紹介
機能どうこうの話ではありませんが、このいかにもヴィンテージハードウェアって感じの質感がいいですね!
少し寄って見ないと分からないのでプラグインの紹介画像では伝わらないのが残念です。
Quadraはベースシンセ、ストリングスシンセ、ポフリフォニックシンセ、リードシンセという4つの独立したシンセサイザーを詰め込んだシンセです。
共通した機能としましては、それぞれのシンセの担当する音域を決めるRANGE機能があり、これにより4つのシンセのレイヤーやスプリットが自由自在にできます。
使い方は、下の青いLEARNボタンを押してからキーボードを最低音→最高音の順番で弾くだけ、と演奏の途中でもパッと切り替えられるくらい簡単です。
マニュアルでも指定できますので、音域の狭いキーボードを使用している場合はそちらの方が便利だったりします。
では、各セクションの特徴を見て行ってみましょう。
Bass
シンプルながら結構太い音がするベースシンセです。
基本モノシンセですがオクターブで重ねることもできます。
アタックは固定でディケイとレゾナンスのみコントロール可。
ノートトリガーは通常はマルチ、レガートとかスライドっぽく弾きたい時はシングル。
StringsBassはStringsセクションに送られますのでStringsセクションがオフになっていると音が出ませんので注意しましょう。
エンベロープもそちらに依存する感じになっております。
Strings
古き良きストリングスサウンドから壮大なストリングスまで表現できるストリングスシンセ。
こちらはアタックとリリースのみです。ストリングスなんだからディケイなんていらんだろってことですね。
ロー、ハイEQと、よりスクウェアっぽくなるHollow Waveスイッチにより、思ったより幅広い音作りができます。
また、BassセクションのStrings Bassと合わせると4つまで音を重ねることができますので、4オクターブのユニゾンやオクターブをダブルにしたりすることもできます。
また、アタックは単一でリリースは独立という独特の特性を持っているので、遅いアタックと早いアタックを混在させた独自の表現も可能となっております。(この挙動が不便に感じることもあると思いますが・・)
Poly Synthesizer
ランプ、サイン、トライアングルなどの波形やPWMといった大幅な拡張がされていて今時のシンセに近いものになっているポリシンセセクション。
ノートトリガーをマルチにすると保持しているノートのエンベロープが新しい入力によりリセットされるという挙動になりますので、このようなトリックプレイもできちゃったりします。
Lead Synthesizer
デュアルモノ仕様のリードシンセセクション。
音色エディットの幅も広いし、モジュレーションのルーティンなど全体的にかなり使いやすくなってます。
2オシレーターに割り振ることによりリードながら重音を可能にする2Voice機能や、往年のゲームサウンドを簡単に再現できちゃうトリル機能などもしっかり装備されております。
Note Priorityボタンも非常に便利で、他のシンセと色々な絡ませ方をすることができます。
- LOW・・・鳴っている音の最低音。コードの一番下、ベースを担当させたい時など。
- HIGH・・・鳴っている音の最高音。コードの一番上、メロディを担当させたい時など。
- LAST・・・最後に鳴らした音。動きのある音にリードをレイヤーさせたい時など。
ちなみに、リードシンセにはアルペジェーターも付いております。
LFO&Mixer
ミキサーセクションでは各シンセのオン/オフやバランスをコントロールできます。
LFOセクションにはSample&Hold機能もついてますので、ノイズソースによる定番のコンピューター(ロボット)音やVCO2をソースにしたステップシーケンサー的な効果など色々遊ぶことができます。
モジュレーションホイールでコントロールすることもできるようになっております。
Bender&Touch Sensor
ベンダーはピッチベンドでのピッチやフィルターの変化量やオンオフをコントロールできます。
それぞれのセクションごとに設定できますのでハモらせたりもできますし、最大1オクターブまでいけますのでフィルターと合わせてワーミーの真似事みたいなことしても面白いです。
Effects
元のハードでも好評だったフェイザーをはじめとしたエフェクトも自由にルーティングすることができます。
どのユニットもシンプルなパラメーター構成ですが、ヴィンテージ感を損ねることなくむしろ厚みを増してくれるような気持ちいいかかり方をします。
マルチアウト
Quadraはマルチアウトにも対応しているため、各シンセを別々のトラックに送ること可能です。
これによりシンセごとにパンを振ったりサードパーティ製のエフェクトやモジュレーションをかけたりすることができますので、かなり音作りの幅が広がります。
参考動画
まとめ
それぞれが非常に魅力的な4つのシンセとエフェクトを自由に組み合わせられるという欲張りな1台に仕上がっております。
音のレイヤーのパターンも色々試せて、ガッツリ重ねてエフェクトまでかけるとオーケストラのような超分厚いサウンドになって気持ちいいです。
基本的には元ハードの弱い部分を徹底的に排除し、良い部分はブラッシュアップされているプラグインですが、インスピレーションの素になり得るヴィンテージならではの良くも悪くもちょっぴり不便な部分はしっかり残してあるところが流石な感じだと思います。
ただ、そんなヴィンテージの癖が残るプラグインですので、シンセ初心者にはちょっぴり難しく感じるかもしれませんし、今時の操作性で音だけヴィンテージなプラグインを求めている人やマウスをメインに作業する方には不便さの方が際立ってしまう可能性があります。
一方でキーボード奏者はもちろん、鍵盤いじりながら作曲される方にはめっちゃオススメのプラグインですので、ぜひお試しください!
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