ロックの定番(というかエレキギターの定番)パワーコード。これだけで弾ける曲なんかもありますし、エレキ入門の定番にもなっていますので、是非マスターしたいテクニックの一つですよね。
そこで、今回はそんなパワーコードの弾き方から曲での使い方、ちょっとした疑問点などを徹底解説していきます。
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目次
パワーコードの押さえ方
基本のポジション
パワーコードはルート(基になる音)に1本下の弦の2フレット右の音(五度上の音)を足したコードになります。
下の段の3本バージョンで足されている音はルートと同じ(オクターブ上)音です。使い分け的には、3本の方がより音が厚くなるだけですのでお好みで大丈夫です。(ダイアグラムやタブ譜の読み方が怪しいぞって方はこちらをご覧ください。)
指使い
ぶっちゃけちゃんと押さえられていて、ちゃんとミュートできていればなんでもいいのですが、そんな簡単にもいかないと思いますので指使いを見ていきましょう。(指番号が怪しい方はこちらをご覧ください。)
1と2が一般的ですね。
どちらでも大丈夫ですが、後々FやBといったコードに活かしたいなら1、指開くのがきつい方は2、といった感じでしょうか。
3はあまり使いませんが、バラバラに押さえる方のBや、ストレッチのadd9など、何かの練習としてあえて押さえてみるのはアリかもしれません。
こちらも1と2が一般的ですが、2で押さえる時は②弦まで押さえてしまわないよう注意が必要です。
開くのがきつい方は3、Bコードの練習をしたい時などはあえて4でやってみるのも良いかもしれません。
ミュートのやり方
左手のミュートを上手くやるコツは、力まない、よく聴く、感触を覚える、の三つです。
特にキレイに出た時の音を覚えるというのが練習段階では特に重要です。
人差し指の先で軽く触るか余っている指で軽く触るか、もしくはその両方になります。
人差し指で軽く触れるのが一般的ですが、他の指で触るのも、合わせ技でもOKです。
ミュートは、しっかり触れずに開放弦が鳴ってしまうとアウトですが、力んで押さえてしまってもアウトなので、なかなか繊細ですね。
ちなみに弦高は低いほど押さえるのが楽ですが、その分ミュートの力加減はシビアになりますので、どうしても上手くいかない人はギターの調整を考えてみるのも手だと思います。
ミュートについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
パワーコードの使い方
元々パワーコードで弾く曲をやる以外に、普通のコードをパワーコードで弾いていくこともできます。
パワーコードは◉がルートになります。
◉をFに合わせればFのパワーコード、F#(Fを1フレット右にずらしたところ)に合わせればF#のパワーコードになります。
パワーコードはメジャー、マイナー、テンション(7とか9とか)関係なく使えるので便利です。
開放弦の場合
パワーコードは厚みのある音、太い音を出すためのものなのでほとんど5、6弦でしか使いません。しかしDの開放弦だけはそれなりに使われます。
1はA、2はE、3はDのパワーコードになります。
よく見るとコードの形は同じですよね。
dimとaug系の押さえ方
ほとんどのコードは左側のルートのところを見てパワーコードで押さえていくことができます。(コードネームの見方が怪しい方はこちらをご覧ください。)が、例外があります。
オンコード(C/G、G/Bみたいな)の場合
オンコードはコードのルート音とは別の音をベースにしたい時に使う表記です。
これはケースバイケースですので「オンコードは常にこう」とは言えないのですが、とりあえずは○/○、○on○の右側(C/GだったらGの方)を単音(それだけ、一つの音)で弾いてやり過ごしてください。
度数表記
演奏には直接関係ないかもしれませんが、一応度数で表記したものも作ってみました。
作曲での使用法
エレキでパワーコードがなぜカッコイイか
エレキでパワーコードをグワ〜んと鳴らすとかっこいいのに、アコギでやるとなんか物足りなかったりしますよね。
それはなぜでしょうか?
「普通に音色が違うからでしょ?」
まあ、それでほぼ正解なんですが、それだけでもありません。
楽器による音色の違いというのは倍音ののり方の違いになるわけですが、エレキの方が倍音が多い。つまり、より沢山の音が鳴っているということなのです。
次の画像はアコギとエレキで同じCのパワーコードを弾いた時の波形になります。(アンプはディストーション設定で、両方ともピック使用。)
もちろん使用する楽器やセッティングによっても結果は変わってきますが、見るからにエレキの方が分厚い感じがしますよね。
他にも音が伸びるからとかもあると思いますが、これが1番の理由になります。
曲で使う時の注意点
歪ませたエレキの音が分厚いのはいいことだけでもありません。
倍音が沢山のっているので、少ない音でもさびしくならない反面、他の楽器の音の邪魔をしてしまったりすることもあります。
2音のパワーコードにするか3音のパワーコードにするかの選択は、他の楽器とのバランスや曲調、歪ませ具合なんかを考慮して決めましょう。
特にガッツリ歪ませるとかなり倍音がのるので、2音のパワーコードでさらにルートメイン(単音に近い感じ)で弾いていくくらいでちょうどいいこともあります。
C5表記はどんな時に使うの?
パワーコードには二通りの使い方があります。
一つは下の譜例のように、本来は3和音以上のコードだけど諸々の理由によりギターはパワーコードで弾いている、というパターン。
この場合は他の楽器でm3rdやm7の音を補完している可能性が高いです。
もう一つが下の譜例のようなC5表記ですが、こちらは元々のコードがパワーコードという意味になります。
こちらは上記のケースと違い、どの楽器にも3rdの音は入ってきません。
つまりメジャーでもマイナーでもない純粋な五度コードということですね。
メタルや民族音楽のような旋法音楽でよく使われる手法ですが、こういった曲をアレンジするときに3rdの音とかを足してしまうとかなり「これじゃない感」が出てしまうので気を付けましょう。
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