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数々のシンセサイザーの名機をプラグイン化してきたCherry Audio、そんなCherry Audioの新製品はこれまでのノウハウを活かしつつも全く新しいコンセプトで作られたオリジナル・シンセサイザー・プラグイン【Sines】です。
Sinesが一般的なシンセと違うところは、基本となる波形をサイン波(正弦波)しか持っていないところ。
と聞くと「なんか音色のバリエーションが少なそう」と感じるかもしれませんが、そのサイン波を様々な方法で整形して音作りをしていきますので、実際はアナログシンセ的な音からFMシンセのような方法まで、かなり幅広いサウンドデザインができる面白いシンセです。
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目次
Sines の特徴と機能紹介
見た目(GUI)的にはツマミやらボタンやらがズラ~っと並んでいて難しそうな印象を持たれるかもしれませんが、それはCherry Audioの開発チームがタブや隠しメニューが嫌いだからです。
確かにちょっと威圧感ありますが、覚えてしまえば何かを切り替える、開くといったクリックを省略できますので素早い操作が可能・・・
ではあるのですが、そのことを差し引いても正直簡単なシンセではありません。
まあ、新しいコンセプト系やあれもこれもできるよ系は、「売りは音が良いことっス」っていう定番系や「俺これしかできないっス」っていう特化系よりも操作がとっつきにくかったり複雑になるのはしょうがないんですけどね。
オシレーター
サイン波のオシレーターが4つ搭載されています。
また、それぞれにオクターブ上とオクターブ下のサブオシレーターもついています。
これらを良い感じに組み合わせて音作りをしていくわけですが、特徴的なのは各オシレーターにあるウェーブシェーピング・コントロール(Feedback、Phase、Width、Power、Wavefold、Drive)という部分で、ここを調節することでノコギリやスクエア、パルスといった他の波形も作ることができちゃいます。
「なら最初から用意しておけば良いんじゃ?」って思われるかもしれませんが、そこがSinesの面白いところで、ウェーブシェーピング・コントロール全てのパラメータの上にモジュレーションを適用できるボタンが設置されていて、すぐに色々なルーティングを組むことができるようになっています。
これによりサイン波とパルス波を行ったり来たりするような動きも簡単に作れますので、かなり複雑なサウンドデザインも柔軟にこなすことができます。
他のオシレーターをモジュレーションソースにすることができるのがポイントですね。
その他のセクションもざっと紹介
LFOは4機搭載されています。
LFOの動きを1回だけにするOne Shotがなかなか便利です。
BIASやRetrigと組み合わせると色々な挙動に設定できます。
エンベロープはフィルターエンベロープとアンプエンベロープ+2で4つ搭載されています。
エンベロープの開始点を遅らせるDelayがついているのが良いですね。
フィルターのラインナップはこんな感じ。
ちなみに、モジュレーションソースのボタンがないパラメーターもマトリックスの方でルーティングできますのでご安心ください。
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3つの使い方
Sinesの主な3つの用途を紹介します。
サイン波を混ぜて倍音構成を作るハモンドオルガン的な使い方ができます。
ドローバーをいじる感覚でオシレーターのレシオを使ってのせる倍音を調節していくのはなかなか楽しいです。
もちろんそれだけではオルガン音源でいいわけですので、そこからモジュレーションで波形を動かしたりレシオの倍音を動かしたりして遊んでいくわけですね。
一般的な波形も作れるわけですので、普通に4オシレーターのアナログシンセとしても使えます。
モジュレーション・ソースに別オシレーターを設定できますので、4オペレータのFM(PM)シンセとしても使えます。
この使い方をしやすいような機能が各所にあることから一押しなのかなって気がします。
しかもプリセットにはご丁寧にヤマハDXの8つアルゴリズムを再現したものまで用意されています。
プリセットをロードと4つのオシレーターがすでにアルゴリズム通りに組まれているので、あとは好きなように料理できます。
1つ1つを見れば、オルガンはドローバー4つだし、FMは4オペだし、でちょっと物足りなく感じると思いますが、最大の魅力はこれら3つの要素を混ぜて音作りできることです。
かなり複雑なサウンドも作れますよ〜
参考動画
まとめ
音はサイン波をベースにしているだけあって非常にクリーンです。
注意点としては、CPUへの負荷がちょっと高めなところですかね。
一通りいじってみた感じですと、オルガン系の音を基本にした音作りとFM系のサウンドが得意かな、という印象です。
ドリーミーなパッドはアンビエントなんかにぴったりですし、キラキラなベル系サウンドでNew Ageな雰囲気を作るのもいいと思います。
ただ、オルガン、FM、アナログ、いずれもど真ん中の音を狙うなら専用音源の方が遥かに使いやすいですので、Sinesの魅力はそこからさらに一歩踏み込んだ(またはちょっぴり外れた)独自のサウンドを作れるところにあるでしょう。
ぶっちゃけ、ある程度シンセの知識があった方がより楽しめると思いますので、このコンセプトに「お、面白そう」と感じた方はぜひ試してみてください!
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