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よく「クラシックギターが弾ければエレキも弾けますか?」という質問を受けます。
音の並びが一緒であるとか、弦が基本6本とか、同じギターなので共通している部分も多いですし、活かせるテクニックもたくさんありますが、でもやっぱり別物と考えていいと思います。
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目次
楽器(ハード)的な違い
一応楽器として違う部分もチラッと解説しておきましょう。
弦
クラシックギターがナイロン(カーボンとか他の材質もありますが)弦なのに対して、エレキギターやアコースティックギターはスチールの弦が張られています。
弦と弦の間の距離は(メーカーや製作家によって誤差はあるものの)エレキやアコギよりもクラシックギターの方が広くなっています。
弦高は「エレキ→アコギ→クラシック」の順番で高くなりますので、弦とフレットの距離が一番空いているのはクラシックギターになります。
弦のテンションは「エレキ→クラシック→アコギ」の順番できつくなりますので、一番押さえるのが大変なのはアコースティックギターになります。
弦の値段の相場は「エレキ→アコギ→クラシック」の順番で高くなります。
ネック
ネックは一般的にクラシックギターの方が太いし、幅も広くなっています。
形はギターによる感じになります。
エレキやアコギのフレットボード はRと言って緩やかなカーブがついていますが、クラシックギターの指板は一般的には真っ平(フラット)になっています。
エレキだと材質や形、大きさなど色々あるのに対して、クラシックギターの方がフレットのバリエーションが少ない。
ボディ
エレキとクラシックはちょっと比べられないけど、とりあえずエレキの方が重い。
と、まあ楽器的にも色々違いますが、正直これらの違いは楽器のチョイスや調整、慣れでどうにでもなりますのでそれほど重要ではありません。
音楽的な違い
この二つの楽器の大きな違いは音楽的な部分です。
エレキで本格的なクラシックをやるなら別ですが、通常はロックとかポピュラー系の音楽をやりますよね。でもってクラシックギターを習ったら大体はクラシック音楽を練習させられます。
このジャンルの違いが皆さんが思っているよりも大きいのです。
日本語英語とか英語日本語みたいな鈍りをイメージしてもらえば分かりやすいかもしれませんが、きれいに発音や考え方までバイリンガルな方って珍しいですよね。
そんな感じで、クラシック音楽が上手なほど逆にポピュラー系のリズムやフレージングに慣れるのが大変になってしまったり、そもそも違うことに気がつかなかったりします。(逆もそうですが)
クラシカルな演奏?
例えば、ロックギタリストがバッハやモーツァルトをよくロック弾きしていますよね。
クラシックのフレージングからはかけ離れちゃっていますが、クラシックの音楽家がいつもの感じでポピュラー音楽を演奏しているのはそれと同じことなのです。
めっちゃカタカナ英語で喋っているみたいなものですね。
ロックなクラシックがアリなようにクラシカルなジャズとかもアリだとは思いますが、クラシック風に弾いているという感覚は持っていた方がいいでしょう。
クラシックとポピュラー系の違い
では、クラシックとポピュラーはどう違うのでしょうか?
細かく説明するのはブログでは難しいのでざっくりと見ていきましょう。
まず、そもそも音楽のルーツが違います。
クラシックが教会音楽からスタートしヨーロッパをベースに発展したのに対して、ポピュラー音楽は黒人系の音楽をベースにアメリカを中心に発展しました。
もちろんクラシックの影響も受けていますが、ベースとなるものが違うのでクラシックは基本になりません。
では、ポピュラー音楽の基本は何かというと「ブルース」です。
クラシックではやっぱ古典がちゃんとできないとね的なのがありますが、それにあたるのがブルースになります。
一口にポピュラー音楽と言っても実際には無数のジャンルがありますが、基本的なフレージングやノリは多かれ少なかれブルースがベースになっています。
では、音楽的にはどの辺が違うのかというと、大きく違うのがリズム的な部分で強拍の位置が違います。
強拍がクラシックと違いウラにくるウラノリというやつで、巷に流れている音楽の大半がこれになります。
「じゃウラにアクセントをつければいいのね!」と思う方が多いですが、そういうわけではありません。クラシックもひたすら強拍にアクセントつけたら変ですよね。
リズムの中心になる軸が変わるということでして、これによってリズムのサイクルが大幅に変わり、ノリとかグルーブ的な(クラシックだとアゴーギグ的な)部分も変わってくるわけです。
たまに聞く「ポピュラー系の音楽はリズムを揺らさずカチカチ弾く」というは迷信ですので気をつけましょう。
もう一つ大きな違いは、フレージングです。
上でも書いたロック弾きクラシック、もちろんクラシック的には不自然なフレージングですがロック的には自然なフレージングなのです。
オペラ歌手がロックを(ナイトウィッシュとかは例外)、ロック歌手がオペラを歌っているのを想像してみましょう。そんな現象が起きているわけです。
楽器ですと、音やフレージングの違いはサックスなんかが分かりやすいですかね?
細かい説明は省きますが、それをわかった上でクラシック奏者とジャズ奏者で同じ曲を聴き比べたりしてみると面白いと思いますよ。
まとめ
ま、色々書きましたが弾き方のルールというわけではありませんので、「ふ〜ん、そんな違いがあるのか〜」くらいのテンションで大丈夫です。
聴いたり弾いたりする時にそんなことを思い出してみるとまた違った発見があって面白いと思いますので、色々聴いてみてくださいね。
ちなみに、楽器の上達というのはテクニック的な部分だけではなく音楽的な部分も合わせて上達していくものですので、やりたいジャンルをやりたい楽器でやるのが一番いいと思います。
「〜ができれば〜もできる」というのは単なるマウントです。
そんなうまい話があるわけないのは冷静に考えれば分かることなので、スルーしちゃってください。
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