この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
大阪のベテランギタリスト、北口功氏の新しいアルバムを聴きました。
氏はこれまでもバリオスの演奏、録音はしていますが、このアルバムはこれまでのバリオス研究の集大成というか、一つの区切りといっていいと思います。
居住まいを正される準備はできた!いざ!
目次
解説
解説はお馴染みの濱田先生です。
北口アルバムの醍醐味の一つである演奏者本人による解説ももちろん健在です。
楽器
使用ギターは66年作のブーシェです。
近年のメインギターによる満を辞しての録音といった感じですね。
曲順
アルバムというのは単なる曲の寄せ集めではなく、一つの作品です。
曲順が変わるだけでアルバムの方向性も変わってしまう可能性があるくらいコンセプトが反映されるものだと思います。
今回のアルバムの曲順は時代順に並んでいます。
このことからも、バリオスの音楽がどうのこうのというより、バリオスという人間がテーマになっているのだと分かると思います。
音楽的なアプローチ
一般的なバリオスのアプローチは2パターンに分けられます。
- 一つは、バリオスの基本的な作曲語法であるロマン派スタイルに焦点をあてた美しくまとめました系アプローチ。
- もう一つは、南米的感性と民族音楽からの影響に焦点をあてた情熱が迸っちゃった系アプローチ。
では、このアルバムでの北口氏のアプローチはどうなのかというと、
意外なほど曲によって違っています。
ただ、よくよく考えてみるとバリオスも一人の人間ですから時代によって考え方なんかも変わって当然ですよね。
「バリオスという人はこうなんだ」といったレッテル貼りではなく、その時々のバリオスの感性に寄り添ったアプローチと言えると思います。
そして、それを時代順に通して聴くと、様々なものの間で揺れ動きつつも最終的に人に行き着くバリオスが浮かび上がる気がしました。
このアルバムにはバリオスという一人の人間と、それに長年真正面から向き合ってきた人間のドラマが詰まっています。
ぶっちゃけ「1日の終わりにちょっとリラックスしよ」的な軽いポップなアルバムではありません。
逆に重厚な人間ドラマを見たい時なんかにぴったりの作品だと思います!
販売
広告