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なんかジャジーなテイスト入ってるとカッコイイですよね。ってことでクラシックピアニストに人気なのがロシアの作曲家兼ピアニスト、カプースチン。
中でもよく弾かれるのがこちらの「8つの演奏会用エチュード」です。
いや~かっこいですね!
上の動画の曲はエチュードの3番「トッカティーナ」のご本人演奏で、YouTubeでもたくさんの人に演奏されている人気曲です。
色々な方が録音していますが、1番のおすすめはやはりこちらのカプースチン本人による自演演奏のCDですね!
楽譜はこちら
で!このカプースチンなんですが、どうやらクラシックなのかジャズなのかという議論があるらしいのです。
ちなみにカプースチンの経歴は、モスクワ音楽院(というクラシックエリート戦士)ながら、音楽院時代からジャズにかぶれて卒業後はビッグバンドとツアーなどをしていたという変わり者です。
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目次
カプースチンスタイルの考察
作風は?
ズバリ言うと、
曲調→ジャズ
書法→クラシック
って感じで、見事なハイブリットです!
リズムやフレージングはまさしくジャズそのものなのに、譜面を見るとまさしくクラシック。
カプースチンは「8つの練習曲」を書かれた時点で50歳、ジャズの方に行ってから約30年ですから、そりゃジャズの呼吸になりますね。
どう弾いたら自然?
色々な方の演奏を聴いてみると、曲調→クラシックの方が多いように感じます。(クラシックの方が弾いているからあたりまえか)
それはそれでいいのですが、それっぽく弾こうと思ったら曲調=ジャズですのでジャズのリズムやフレージング(言語的な)が必要になってきます。
かなり作りこんである
かといって、ジャズの人が作ってもこうはなりません。
カプースチン本人も言っているみたいですが、一見アドリブっぽく見えても、実際にはかなり細部まで作りこんであります。それであんな感じの譜面になっているわけですね。
もちろん、左手=伴奏=コードコンピングではありません。メロディーと伴奏ではなく、多声になっていますので、分析する場合はクラシックのアプローチも必要になります。
「これはバロックだ」と自分に言い聞かせながらとりあえず動機を探してみるといいかもしれません。
ジャズ的な曲調なので気付きにくいですが、少ないモチーフを展開して非常にキレイに作ってあります。(左手にもガンガンでてくるあたりはクラシカルですね)
フレージングと演奏記号
ソロなども一見複雑に見えますが、基本のコール&レスポンスになってますので、自分でフレーズのスラーをつけてみるといいと思います。
また、演奏記号もクラシックの用途とは若干異なった使い方をしており、似た意味合いの記号でも違った効果を期待していますので注意が必要です。気分で使い分けているわけではなさそうです。
休符やスタッカート、テヌートについても、明らかにクラシッカー向けと思われるものが多々見られます。ジャズの方向けだったら付けていないであろう記号が多々見られますね。
クラシックの時よりもスタッカートは切り気味で軽く弾くと雰囲気でるかも。てか、全体的にノンレガートで弾いた方がいいですね。
まとめ
というわけで、カプースチンは難しいってことですね!
カプースチンのように弾くには「ジャズの音楽性をもちながらクラシックのテクニックと書法に精通している」変人である必要がありそうです。
こういった「クラシックか?○○か?」っていうの色々ありますよね。
たとえば、ギターの方がよく弾かれるアルベニス、これは民族的な要素は入っていますが基本的にはクラシックの様式ですし。ロドリーゴのアランフェスもクラシックです(パコデルシア版も良かったですが、あれを聴いてみんな「あ、やっぱりクラシックの曲だったんだな」と気づきましたよね)。
リストのハンガリー狂詩曲もクラシックです(バリバリのジプシー節を炸裂させてはいけないと教わると思います)。そして、シェーンベルクなどの「現代音楽」なども実はしっかりとクラシックの延長だったりします。
どれも、クラシックの枠に色々取り入れていますが、逆にカプースチンはジャズにクラシックの枠を取り入れたわけですね。
しかし、だからといってそう演奏しないといけないわけではありませんよ。個人的にはクラシックとかジャズとか気にせず好きなように弾けば良いと思います。
もし、どうしてもジャジーに弾きたい方は、とりあえずブルースかな?
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