ハードウェア風の使用感で音作りが楽しいソフト・シンセ・プラグイン!Reveal Sound【Spire】レビュー

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発売当初は期待されつつも「謎のシンセ」扱いだったReveal Sound【Spire】ですが、今やすっかり人気ソフトシンセの定番となった感がありますね。

そんなSpireを遅ればせながらレビューしていきたいと思います!

とりあえずハードウェアっぽいGUIは伊達ではなく、前評判通り音作りはめちゃくちゃやりやすいです。1からサウンドエディットしたい人はもちろん、これからシンセの使い方を覚えようかなって方にもちょうどいいと思います。

Spire の特徴と機能紹介

Spireの特徴の1つがやはりハードウェア風の見た目ですよね。

同じくサウンドエディットのやりやすさをレビューで絶賛したKilohearts【Phase Plant】(レビュー記事はこちら)がモジュールを組み合わせて音を作るモジュラー・シンセ系だったのに対し、Spireは全てのモジュールがビルトインされたハードウェア・シンセって感じです。

傾向は違いますがどちらも音作りしやすいのが特徴で、いずれもプラグインを開いた画面が特定のプリセットではなく、Phase PlantがブランクページSpireがイニシャライズ状態という「さあ好きなサウンド作ってね!」と言わんばかりの状態なのも共通しています。

Polyphonic Modes

Spireはアナログハードウェアにありがちなモノラル/ポリフォニックの特徴的な挙動をいくつか設定できるのも魅力の1つです。

オシレーター

オシレーターは4つでそれぞれこんな感じで選べます。

昔ながらのノコギリ波+パルス波のClassic(用意されている色々な波形を混ぜることができるので音色のバリエーションはかなり豊富です)から使いやすいノイズ、オシレーターシンクとアンプリチュード変調を組み合わせたクセ強系のAMSyncなどバラエティ豊かなラインナップです。

個人的にはVowelを使ってホーミーやディジリドゥみたいはサウンドを作るのが楽しいです!

ユニゾンは最大9ボイスまでいけて音程のバリエーションも豊富に用意されています。

通常のDetuneに加えて不規則なタイプのDensityが付いているのもポイントで、分厚いSupaerSawも簡単に作れますよ。

特徴的なウィンドウ

意外と便利なのがちょっと特徴的な操作のウィンドウで、右側の上下に突起が付いているあたりをドラッグするとパラメーターが上下して、それより左側をクリックするとリストが表示される仕組みになっています。

フィルター

それぞれ独立して設定できるフィルターが2つ用意されていて、各オシレーターは2つのフィルターに好きなバランスで送ることができます。

また2つのフィルターは並列または直列にルーティングすることができ、フィルター出力のバランスも調節できるので設定のバリエーションは結構多いです。

フィルタータイプも豊富に用意されています。

アナログとデジタルのいいとこ取りをしたscorpio(独自のフィルター・アルゴリズムらしい)がモダンなサウンドの中に図太さや荒さなんかもあってかなり気に入りました!

また、フィルター2のカットオフをフィルター1に追従させるLINKボタンもモジュレーションで動かしたり(オフセットを設定して一定間隔を保って動かしたりもできる)する時に重宝します。

モジュレーション

モジュレーションは、エンベロープ×4LFO×4ステッパー×2アルペジェーター&ステップ×1が搭載されています。

サスティンの後にスロープタイムとスロープレベルがありますので、もう一山いけちゃいます。

オシレーターのところで選べた波形が全部選べてしまうLFO。

今時の直接ディスプレイ状で直感的に描いていけるタイプに比べるとちょっとアナログな感じのステッパー。

アルペジェーターもついてます。

ルーティングの要であるモジュレーション・マトリックスシンプルで使いやすくていいですね。

実際にノブやなんかが自動で動いたりする効果はありませんので、音のみを頼りに設定していくことになります。まあノブがモーターで勝手に動くハードウェアなんてないですもんね。

エフェクト

エフェクトも、シンセでここまで力入れているのは珍しいくらい本格的なサウンドのものがそろっています。

ウォームなサチュレーションからハードなクリップまでいけるシェーパー。ヘヴィな歪みも作れちゃいますよ。

vowel(オシレーターの方にもあるけど)もできるフェイザー

JP8000コーラスも再現できるコーラス

左右別にディレイタイムを設定できるタイプの本格的なディレイ

これまた本格的なリバーブ。

CPU

気になるCPU負荷ですが、ぶっちゃけ普通かなって感じです。

ノコギリ波を限界の8ボイス(Spireは9までいけるけど)×2にしてSuperSawな感じの音色で他のシンセと比べてみました。

同じくサウンドエディットでテンションが上がるシンセのKilohearts【Phase Plant】と大体同じくらいでしょうか。

曲作りで使っている時の体感としてはPhasePlantの方が重く感じるような気がしますが、モジュレーションやエフェクト、または他のオシレーターの関係なのかもしれません。

「Sound Designer’s Dream Come True」のコピーは伊達じゃなかった!Kiloheartsのセミモジュラー・シンセ【Phase Plant】使い方&レビュー

とにかく軽いので有名なLennar Digitalの【Sylenth1】ではこのくらい。

こうして見ると気持ち軽い感じですが、実際に制作過程で並べると結構な差が出ます。

ちなみに、音はPhase Plantよりは明るめですが、そんなに馴染みの悪い感じでもありませんので思ったよりも使いやすいですね。

参考動画

メーカーによる紹介動画

まとめ

音作りがしやすいとは聞いていましたが、実際使ってみるとGUIが分かりやすいのもありますが、かなり実機っぽい操作感が使いやすい理由なのかなと感じました。

今時のソフトシンセにしてはディスプレイ上でのエディットも最小限だし、波形も表示されない、モジュレーションの視覚的な効果もなしなので、非常に動きがないUIがさらにハードっぽさを醸し出している気がします。

その分より音を聴きながら操作できるのが逆にいいなと思いましたが、視覚的に分かりやすい方がいい人には向かないと思います。

モジュラー系の入り口にはPhase Plantがいいですが、Spireはアナログシンセ方面に興味がある方の入り口にもいいかもしれませんね。

また海外プラグインにしては珍しく公式日本語マニュアルがあるのもおすすめポイントです。

ぜひお試しください!

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