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高品質なミキシング・プラグインでお馴染みのメーカーsonnoxのリミッター・プラグイン【Oxford Limiter】の紹介です。
sonnoxで音圧上げと言ったら真っ先に思い浮かぶのはやはり Oxford Inflator でしょうか？
しかし、Inflator はハーモニック・コンテンツ（倍音成分）のコントロールがメインの仕事ですので、リミッティングに関しては今回紹介する Oxford Limiter が専門分野です。
- ソロトラックやバストラックでのクリアなレベル・コントロール。
- ダイナミクスを損なわず、かつ安全に音圧を上げられる。
- 細かくコントロールできるディザー機能。
レベラー、マキシマイザー、ディザー、いずれの役割にも音楽的に対応できるリミッター・プラグインとなっております！
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目次
Oxford Limiter の特徴と機能紹介
Oxford シリーズは見た目こそシンプルですが、お世辞にも「マニュアルなしで簡単に使えちゃいますよー」とは言えません。
そして、肝心のマニュアルもデジタル・オーディオの知識が最低限ないとそっと閉じることになるでしょう。
しかし、それは特定の状況に特化したものでないからであり、だからこそちゃんと理解して使いこなせると普遍的に使っていける道具として機能してくれますよ。
そうは言ってもマニュアルはもう少し歩み寄ってくれてもいいかも？
コントロール
入力に関する設定をするセクションです。
- INPUT・・・入力レベル（-42 dBFS〜+18 dBFS）を表示。スレッショルドを超えるとゲインコントロールが作動します。
- THRESHOLD・・・スレッショルド値を変更することもできます。PRE-PROCESSセクションとAUTO COMPのしきい値、およびENHANCE/SAFE MODEの天井として機能。
- INPUT GAIN・・・リミッター・プロセスへの入力ゲイン（-18 dB〜+18 dB）を調整。
ゲイン・スケーリングとリダクションの調整をするセクションです。
- ATTACK・・・アタック・タイム（0.052ミリ秒〜1.04ミリ秒）を調整。レベル検出はデフォで先読み機能付き。
- RELEASE・・・リリース・タイム（0.052ミリ秒〜1038ミリ秒）を調整。
- SOFT KNEE・・・0dB(ハード)から10dB(ソフト)の間でニーを調整。
- GAIN REDUCTION・・・リダクション量を表示。
- AUTO GAIN・・・追加の長期的なゲイン・スケーリング。大きなレベル変化を補正してくれる。基本オンでOK。
ヘッドルームが内蔵されているため、遅いアタックタイム設定でもクリップせずにリミッター・セクションからエンハンスメント・ステージに通過させることができます！
サンプル値のリミッティングとラウドネスの調整をするセクションです。
- SAFE MODE・・・その名の通りピーク出力レベルをバッチリ制御する安全なモードです。こちらのオン／オフによってENHANCEの動作が変わります。
- ENHANCE・・・エンハンスメントの量（0-125%）を調整。
オーバーシュートの回避はセーフモードをオン、もしくはノーマルモードでは100%以上でのみ有効となります。
セーフモードでは、ENHANCEフェーダーはダイナミック・ラウドネス・ブーストの量として機能します。
アタック・タイムを遅くしてもバッチリ収めてくれますよ！
エンハンスでのラウドネス・ブーストの方式はInflatorとはまた違った感じですので、併用するのも効果的だと思います。
出力関連とディザーの設定をするセクションです。
- OUTPUT TRIM・・・アウトプットのレベルをトリムしたい時用。メーターの前段なので確認しながら調整できます。
- DITHER・・・ディザーの選択。NONE（なし）、16BIT、24BITの間で切り替えます。
- DITHER TYPE・・・ノイズシェイピングのタイプをTPDF、TYPE 1、TYPE 2、TYPE 3、TYPE 4から選択することができます。
- DEPTH・・・選択したノイズシェイピングの動作値（0%〜100%）を選択。タイプによって動作も変わりますので、非常にバラエティに富んだノイズシェイピングから選択することができます。
- PEAK HOLD・・・通常２秒間保持されるピークメーターをホールド（手動でクリアするまで保持）設定にします。
- RECON METER・・・ピークサンプル値モード（オフ）からトゥルー・ピーク・モード（オン）に切り替えます。オンにするとデジタルからアナログに再構成した場合の信号を表示させることができます。
- AUTO COMP・・・再構築後のトゥルーピークがオーバーロードした場合の保険的な。オートコンプをオンにしておくと追加処理してくれます。
ディザリングはオン／オフだけでなく、ビット深度、ノイズシェイピングのタイプ、適用量など細かく自分で設定できるのが特徴です。
ラウドネス上げ
マスタリングの最終段などでリミッティング、マキシマイザー的な使い方をする場合はセーフモードがオススメです。
ノーマルモードでエンハンスが100%以下だと、このようにオーバーしてしまいます。
ノーマルモードでエンハンスを100%以上に設定してもちゃんと制限はかかりますが、
基本的にはセーフモードでインプット・ゲインのツッコミ具合とエンハンス・フェーダーで調節するのがオススメ。
トゥルーピークのターゲットを0dB以下（シーリング的な）にしたい場合はスレッショルドを下げればOK。
後はアタック、リリース、ソフトニーといった音楽的な部分も調整しましょう。
レベラーとして使う
ノーマルモード（SAFE MODEがオフ）でENHANCEが無効（0％）の場合、Pre-Process単独で従来のレベリング・セクションとして機能します。
なんですが、エンハンスを100%以下で少し調整するのもアリです。
よくあるスレッショルド固定タイプのようにインプットでリダクション量をコントロールしても良いし、スレッショルドを下げて引っ掛けてみてもいいですね。
出力はアウトプット・トリムで調節すればOK。
バストラックやソロトラックで、レベルをならしたり存在感を出したりと結構使えますよ。
CPU
CPU負荷はかなり軽いです。
普通にソロトラックのレベリングにも気軽に使えていいですよ。
参考動画
まとめ
まあ、ぶっちゃけ今時の「めっちゃ音圧上がりまっせ」系お手軽プラグインに比べると扱いは難しいと言わざるを得ないですが、慣れれば倉庫で腐ることなくずっと使えるプラグインです。
イメージ的には、ラウドネス・コントロールを主軸にした今時のリミッターとクラシカルなレベラー、両方の特徴を持つような感じでしょうか。
音質的にはクリアではありますが、滑らかという感じではありません。この辺りは sonnox の音って感じです。
一応エフェクティブな使い方もできるようですが、サチュレーション的な使い方だったら Inflator の方を使った方が良いと思います。
リミッティングやハーモニック・コントロールでぎゅっと中身を詰めた時のような閉塞感がなく、ダイナミクスや空気感などの音楽的な部分をあまり犠牲にすることなく音圧を稼げるのが良いですね。
負荷が軽く気軽に使っていけますので、ミックスからマスタリングまで幅広く使い倒せるリミッターが欲しい方はぜひ試してみてくださいね！
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